東京新聞に掲載されました。


杉並の「夢現舎」ロンドン公演へ

[世界に通じる演技を ]

高円寺に拠点を持つ劇団「夢現舎」が、十一日から来月五日までロンドン公演を行う。言葉の通じない海外公演で演技力を高め、国内公演に生かし飛躍を図る考えだ。(室木 泰彦)

 映画やテレビ出演の経験もある演出家小竹林早雲さん=福井県出身=が、世界に通用する演劇を目指そうと、一九九七年四月に旗揚げ。全国各地から若者が集まり、現在キャストだけで二十歳から三十歳代半ばまで約二十人がいる。
  都内での公演に加え、二○○二年十二月に十日間のロンドン公演を実行。アンデルセン童話「裸の王様」を独自の解釈で演じたところ、口コミだけで十一公演約六百六十人を動員できたという。
  そのとき出会った現地の劇場支配人が劇団のコンセプトや演技、演出などに共感。今回は支配人側からの誘いもあり、二度目の公演を決断した。期間中、二十四公演、千八百人の動員を目指す。
  演目はオリジナル作品の「蟻のごちそう」。環境変化など、地球上の出来事は全て人間の行為がもたらしていることを伝える。ある町の住人達が愚考を繰り返し、町が崩壊に向かう約二時間のストーリーで、人間の存在意義を問い直す内容だ。せりふは日本語だが、英語の解説などを加えて分かりやすくする。
  去年十一月ごろから指導してきた小竹林さんは「現地は口コミの威力が大きい。どれだけ反響を呼び起こせるか挑戦したい」と意気込んでいる。

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